スマホのサブ回線(副回線)は保険として割に合う?povo・日本通信・キャリア副回線を年間維持費で判定

A smartphone with a Google search on a vibrant yellow surface, SIM card, and ejector pin visible.

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この記事の要点

・サブ回線は「安くする」話ではなく止まった時に代わりが立つかという冗長化の話で、以前書いた容量の買い足し(二段構え)とは目的が別です。

・維持費は選び方でかなり違い、povo2.0は180日ごとの有料トッピングだけで年780円前後、日本通信の290円プランで年3,480円、キャリアの副回線サービスは月429円=年5,148円です。

・全員に必要ではありません。自宅に光回線があり、行動範囲が固定で、家族が別キャリアならほぼ持たなくて済みます。

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会議の開始2分前に、画面の左上が「圏外」になっていた。私がサブ回線を真面目に考え始めたのは、この30秒くらいの出来事がきっかけでした。結局その日はカフェのWi-Fiに逃げ込んで事なきを得ましたが、あのときスマホのテザリングしか手がなかったら会議は落としていたと思います。

まず切り分け:これは「安くする話」ではありません

以前このブログで書いたメインを小容量にしてサブで足りない分だけ買い足す二段構えは、月額を下げるための話でした。今回は目的が違います。

  • 二段構え=容量が足りない月に安く買い足す(節約)
  • サブ回線=メインが止まった時に代わりが立つ(保険)

ここを混ぜると判断がぶれます。保険として見るなら、比べるのは「速いか安いか」ではなくメインと別の網かどうか年間いくらで維持できるかの2点だけです。

手順1:別の網を選ぶ(同じ網では保険にならない)

先に潰しておきたい落とし穴があります。格安SIMの多くはドコモ・au・ソフトバンクのいずれかの設備を借りて動いています。つまりメインがドコモ系なら、ドコモ回線を借りている格安SIMを2枚目に持っても同時に止まります。安いからという理由だけで選ぶと、保険料を払って保険になっていない状態になります。

  • メインがドコモ/ahamo → 2枚目はau系(povo2.0)か楽天
  • メインがau/UQ/povo → 2枚目はドコモ系(日本通信・mineoのDプラン)かソフトバンク系
  • メインがソフトバンク/ワイモバイル/LINEMO → 2枚目はドコモ系かau系
  • メインが楽天 → 2枚目はドコモ系が無難(楽天は自宅・職場の電波の入り方の差が大きいため)

もう一つ、網の名前より大事なのが自宅と職場で実際に電波が入るかです。エリアマップは建物の中までは保証してくれません。私は職場のフロアが窓のない側で、地図上は問題ないはずの回線が実際は1本しか立たなかったことがあります。契約前に、同じ回線を使っている同僚や家族の端末を借りてアンテナ表示を見せてもらうのが一番早いです。

A hand holding a smartphone displaying 'eSIM' against an urban backdrop in Los Angeles.

手順2:候補の年間維持費を、同じ土台で並べる

ここは金額の定義がバラバラになりやすいので、「1年間、何も使わずに番号と回線を維持するだけでいくらか」に揃えました(いずれも税込・2026年9月時点の公表条件をもとにした試算で、初期費用は別)。

候補維持のための年間支出維持のための条件・できること
povo2.0約780円(数百円のトッピング×年2回想定)基本料0円。180日以内に有料トッピング購入がないと利用停止の対象。音声・SMSあり
mineo マイそくスーパーライト3,000円(月250円)最大32kbpsと非常に遅い。通話・SMS認証用と割り切る用途
日本通信 合理的シンプル2903,480円(月290円)1GBまで通常速度。追加は1GBあたり数百円。ドコモ回線
au/ソフトバンクの副回線サービス5,148円(月429円)月500MB・最大300kbps、超過後128kbps。通話は30秒22円。番号はメインと別
楽天モバイル 3GBまで12,936円(月1,078円)保険というより2本目の実用回線。家族割適用で968円

ここで注意したいのは、キャリアの副回線サービスの月429円が「500MB・300kbps」に対する値段だという点です。povoの780円は「維持だけの費用で、使う時は別途トッピングを買う」前提の金額なので、同じ429円と780円を単純に並べると誤解します。使う量が読めないなら、普段0円で回して必要な日に1日使い放題などを買う形の方が、私は合理的だと思っています。

手順3:自分に必要かを、止まったら困る時間から逆算する

金額表より先に決めるべきはこちらです。紙でもメモアプリでもいいので、「その30分〜半日、回線が死んだら何が起きるか」を書き出します。

  • 在宅勤務の会議・打ち合わせ(欠席の影響が大きいものが月に何回あるか)
  • 決済アプリしか手段がない買い物(現金・カードを併用していれば実害は小さい)
  • 電子チケット(入場できないと当日の予定ごと消える)
  • 子どもや親からの連絡(受信できないこと自体が不安要素)
  • カーナビ・乗換案内に依存した移動

ここで時間を金額に置き換えるなら、時給1,500円換算などの機会費用と、タクシー代・チケット代のような実際に財布から出る実費は必ず分けて書いてください。合算して「年間◯円の損」と一本化すると、数字が実態より大きく見えます。私の場合、実費として想定できたのは年1回あるかどうかのタクシー代3,000円程度で、残りは全部「気持ちの落ち着かなさ」でした。

それでも年780円なら払う価値があると判断したのは、実費の期待値では割に合わないが、電子チケットで入場できない一発の事故が怖いからです。保険はそもそも期待値では負ける商品なので、円換算だけで結論を出そうとするとサブ回線はほぼ全部「不要」になります。判断軸は金額ではなく、取り返しがつくかどうかに置いた方が納得しやすいです。

A person on a video call using a tablet, with a laptop displaying data nearby.

手順4:契約した後の「使えるかテスト」までがセット

ここを飛ばしている人がとても多いところです。いざという時に設定でつまずいたら、契約していないのと同じになります。

  1. 端末が2枚目のSIM(eSIM=差し込まずに書き込むタイプのSIM)に対応しているか確認する。iPhoneはXS以降、Androidは機種によるので型番で検索
  2. 開通したら、メインのSIMを一度オフにして、サブだけで15分過ごす。地図、電話、SNS、決済アプリを実際に開く
  3. データ通信に使う回線を切り替える場所(設定→モバイル通信)を覚える。慌てている時に探すと3分溶けます
  4. サブの電話番号を家族に共有し、着信テストを1回だけしておく
  5. 半年に1回、疎通チェックの日を決める。povoなら180日ごとのトッピング購入日と重ねると、忘れ防止と維持を1回で済ませられます

私はカレンダーに「4月/10月:サブ回線の日」とだけ入れています。やることはトッピングを1つ買って、メインを切って10分使うだけ。これで年780円分の保険が生きている状態を保てます。

音声が要るか、データだけでいいか

維持費を下げたいならデータ専用SIMという手もありますが、次に当てはまるなら音声・SMSが使えるものを選んだ方が安全です。

  • SMSで届く認証コードを受け取る必要がある(銀行・キャッシュレス決済・各種ログイン)
  • 110番・119番をかける可能性を残しておきたい
  • 家族からの着信を取りこぼしたくない

逆に、手元にもう1台スマホやタブレットがあり、非常時はそちらのテザリングで凌げるという人はデータ専用でも足ります。ノートパソコンでの仕事だけが不安、という人もデータ専用で十分です。

なお、年に数回のイベントや帰省・引っ越し直後だけ回線が欲しいという用途なら、常時契約ではなく必要な期間だけ借りる国内向けレンタルSIM(REN SIM)のような選択肢もあります。ただし「いつ来るか分からない障害への保険」としては、借りている期間しか守ってくれないので目的が合いません。使い分けてください。

契約しなくていい人の条件

営業めいた記事にしたくないので、はっきり書きます。次の3つが全部そろっている人は、私はサブ回線を持たなくていいと思います。

  • 自宅に光回線があり、平日の大半を自宅で過ごす(スマホが止まってもWi-Fiが生きている)
  • 行動範囲が自宅・職場・近所でほぼ固定(どこにWi-Fiがあるか把握できている)
  • 同居家族が別のキャリアを使っている(家族のテザリングが実質的なサブ回線になる)

逆に、ひとり暮らしで光回線を引いていない・外回りが多い・電子チケットや現地決済に頼る予定が多い人は、年780円〜5,000円の範囲で持っておく価値があると思います。特に家に固定回線がない人は、スマホが止まった瞬間に家中のネットが消えるので優先度が高いです。

最後に、自分の答えが出る順番

ここまでを短くたどると、答えは自然に出ます。

  1. メインの回線の網(ドコモ/au/ソフトバンク/楽天)を確認する
  2. 止まって取り返しがつかない予定が、年に1回以上あるか考える
  3. ないなら契約不要。あるなら、メインと違う網から候補を選ぶ
  4. 使う量が読めないならpovo2.0、毎月少しでも通常速度が欲しいなら日本通信、設定の手間を減らしたいならメインキャリアの副回線サービス
  5. 開通したらメインを切って15分テスト、カレンダーに半年後の疎通チェックを入れる

私自身は、いま2の答えが「電子チケットが年に数回ある」なので、povo2.0を保険として置いています。もし来年その予定がなくなったら、たぶん解約すると思います。保険は状況が変われば見直していいものです。

ほかの回線まわりの記事は格安SIM・モバイル回線の乗り換えまとめ|記事一覧にまとめてあります。

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