スマホの残価プログラム、返却と払い切りどっちが得?9月の買い替えで比較
この記事の要点
・返却で免除される残価より、返却のために払う費用(最大22,000円+故障時最大44,000円)が上回ることが起こり得ます
・判定式は1本だけ。買取見込み額 > 残価 −(返却の実コスト) なら、払い切って自分で売る方が割に合います
・格安SIMへ移るつもりなら、端末は現キャリアで畳んでから、翌月に回線だけ動かす順番が安全です(金額はすべて2026年9月時点・要公式確認)
本ページはプロモーションが含まれています
返却の手数料は最大22,000円、返却時の査定でDランク判定になると故障時負担金が最大44,000円。合計すると、免除されるはずだった残価をまるごと食い潰す金額です。2026年に入って大手3社が横並びで手数料を導入した結果、「2年で返せばタダ同然」という前提が、静かに崩れました。
9月は新機種が並ぶ時期で、記事も家電量販店の店頭も「どれを買うか」の話ばかりになります。でも本当にお金が動くのは、今持っている端末をどう畳むかの方なんですよね。私は先月、23か月目を迎えた自分のiPhoneの返却キットを取り寄せる直前で手を止めて、電卓を叩き直しました。結果、返さずに払い切りました。その計算をそのまま置いていきます。
まず、3社の「免除される額」と「返却に払う額」を分けて見る
実質負担額という言葉は、この判断では役に立ちません。見るべきは2つの数字だけです。
- 免除額=返却すると払わずに済む金額(ドコモ・auは24回目の残価、ソフトバンクは25〜48回目の合計)
- 返却の実コスト=プログラム利用料+早期利用料+故障時負担金の合計
| ドコモ いつでもカエドキ | au スマホトクするプログラム+ | ソフトバンク 新トクするサポート+ | |
|---|---|---|---|
| 払い方 | 残価設定24回 | 残価設定24回 | 48回 |
| 免除される中身 | 24回目(残価) | 最終回(残価) | 25〜48回目(最大24回分) |
| 返却の期限 | 23か月目まで | 13〜25か月目 | 25回目以降(特典B) |
| 利用料 | 最大22,000円 (2026年3月5日以降の加入分) | 最大22,000円 (2026年2月26日開始) | 最大22,000円 (特典利用料) |
| 免除の条件 | ドコモで買替えおトク割 | au買替特典 | 買替え応援割 |
| 状態が悪いとき | 受付不可なら免除額と同額の違約金 | 最大22,000円 | Cランク最大22,000円/Dランク最大44,000円(2026年8月19日以降の加入分) |
※2026年9月時点で各社の案内ページから拾った上限額です。機種・容量・加入時期で変わるので、契約中の金額はマイページで必ず確認してください。
ここで大事なのは、利用料が免除される条件が「同じキャリアでもう1台買うこと」に限られている点です。ドコモは3月4日までの加入分なら利用料そのものが不要ですし、同社で買い替え続ける人は今も0円。つまりこの手数料は、事実上他社へ出ていく人だけが払う費用です。私はここが、今回いちばん引っかかった部分でした。
判定式は1本。買取見込み額と比べるだけ
先に答えを書きます。次の不等号が成り立つなら、返さずに残価を払い切って自分で売る方が手元に残るお金は多くなります。
買取見込み額 > 残価(免除額) −(返却の実コスト)
理由は単純で、返却しても手数料は出ていくからです。免除額が48,000円でも、利用料22,000円を払うなら実際に浮くのは26,000円分。その端末が26,000円より高く売れるなら、払い切って売った方が得、という話にすぎません。
根拠になる相場も置いておきます。ある中古買取専門店の早見表では、iPhone 15 128GBの買取価格が中古A(傷なし)72,700円、中古C(目立つ傷あり)57,100円、ジャンク35,100円と公開されていました(2026年に確認した時点の表示。相場は毎月動きます)。この水準なら、上の例の26,000円は軽く超えます。
逆に、下の条件に当てはまると一気に不等号がひっくり返ります。
- 画面割れ・液晶漏れ…ある買取店の実例では液晶漏れで基本価格の45%減。しかも減額は割引後ではなく基本価格に対して計算されます
- バッテリー最大容量80%未満…同じ例で30%減。Apple公式の下取りは80%未満だと受け付けてもらえません
- 両方重なると、基本価格14,000円クラスの機種では手取り3,500円まで落ちた例も紹介されていました
ただし「劣化=売れない」ではありません。編集部が最大容量67%・背面割れのiPhone 14 Pro Max 256GBを実際に4店へ持ち込んだ記録では、買取不可の店と40,500円を提示した店が同じ街に並んでいたそうです。1社の査定で諦めるのはもったいないと思います。
あなたの機種で埋める計算欄
紙でもメモアプリでも、この6行を埋めてください。
- ① 免除額(残価または25回目以降の合計)=( 円)
- ② 利用料・特典利用料=( 円)※同一キャリアで買い替えるなら0円
- ③ 早期利用料(期限より早く返す場合)=( 円)
- ④ 故障時負担金の見込み(0/22,000/44,000)=( 円)
- ⑤ 返却の実コスト=②+③+④=( 円)
- ⑥ 買取見込み額(2社以上で仮査定)=( 円)
そのうえで振り分けます。
- ⑥ > ① − ⑤ … 払い切って自分で売る。差額がそのまま次の端末の頭金になります
- ⑥ < ① − ⑤ … 返却する。画面が割れている、電池が70%台、という端末はだいたいこちら
- ⑥ が同等中古の販売価格に近く、かつ残価がそれより安い … 払い切って予備機・子ども用に回す。売っても買い直しても同じ額なら、手元に置く方が使い道があります
ソフトバンクには少し変わった仕掛けもあります。査定基準を満たさないとき、特典利用料と故障時負担金の合計が免除額以上になると、そもそも特典を使えないという規定です。壊れているほど「返却して逃げる」が選べなくなる設計なので、状態が悪い人ほど早めに条件を読んでおいた方がいいです。
格安SIMへ移るなら、端末を先に畳む
順番を間違えると、それだけで22,000円が飛びます。返却前に他社へ移っても、返却後に移っても、他社へ行くなら利用料は免除されないからです。だから設計はこうなります。
- 23か月目(ドコモ・au系)/25回目(ソフトバンク)が締切月。ここが全部の基準点です
- 締切月の2か月前…買取店2〜3社で仮査定。同時にマイページで①〜④の金額を確認
- 締切月の1か月前…返却するなら送付キットの取り寄せと本人確認。郵送は査定完了までの日数が読めないので、月末着はやめておく方が無難です
- 締切月…返却なら査定完了まで、払い切りなら残価を一括で処理。ここで端末の話を終わらせます
- 締切月の翌月…回線だけ格安SIM・オンライン専用プランへMNP
回線を動かす日そのものにも損得があります。二重請求や開通のタイミングについては申し込む日付と時間帯から逆算した手順をまとめた記事に書いたので、締切月の翌月に何日を選ぶかはそちらを見てもらえると早いです。
電池がへたっているだけなら、交換の方が安いことが多い
「電池が持たないから買い替え」で動く人、けっこう多いと思うんです。数字で見ると、そこは踏みとどまる価値があります。
- Apple公式のバッテリー修理費用は、iPhone 16で15,800円(2026年6月時点の案内)。AppleCare+加入かつ最大容量80%未満なら0円
- 非正規の修理店は2,280〜9,980円程度が目安(正規品ではない点と、以後の正規サポートへの影響は納得したうえで)
- 15,800円をあと2年使う前提で割ると月約660円、あと1年なら月約1,320円
同スペックの中古を買い直すと数万円かかることを考えると、分岐点は「あと1年以上使うかどうか」あたりに落ち着きます。1年未満しか使わないなら交換せず、電池の劣化を織り込んだ査定額で売り抜ける方がすっきりします。
払い切った端末の使い道が思いつかない、という人へ
予備機や子ども用に回す場合、端末はタダでも回線は必要です。ここで大手の追加回線を足すと月額が跳ね上がるので、私は用途に合った小さい契約を別に持つ方が素直だと思っています。クレジットカードを使わずに口座振替で始めたい、中古端末とまとめて用意したい、というときは口座振替に対応した格安SIMのごえんモバイルのような選択肢を見ておくと話が早いです。中古iPhoneの取り扱いもあるので、払い切りをやめて売却した場合の受け皿にもなります。もちろん、家族の主回線と同じ会社にまとめた方が管理が楽、という判断もありです。
最後にもう一度だけ。返却は義務ではありません。返す・払い切って売る・払い切って残す、の3つは対等な選択肢で、どれが正解かは免除額と買取相場の引き算でしか決まりません。今月が締切月にあたる人は、返却キットを申し込む前に、マイページの残価と買取店の仮査定額の2つだけでも並べてみてください。私はそれで方針が180度変わりました。
コメント
コメントを投稿