家族まとめ回線の分解手順|子ども・シニア回線から出すと世帯合計が下がる理由
この記事の要点
・一番高い親の回線から乗り換えると、世帯合計はむしろ増えることがあります。家族割の人数カウントが減り、残る回線が1回線あたり月550〜660円値上がりするためです。
・抜けても割引の段差が動かない回線=子ども・シニアの小容量回線から先に出すのが、世帯合計で見たときの順番です。
・光セット割の割引を2回線以上で受けている世帯と、家族割で実質0円になっている回線がある世帯は、分解を急がない方が無難です。
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我が家の請求書は、4人分が1枚の紙にまとまって届きます。金額は見ているのに、誰の回線がいくらなのかは長いこと把握していませんでした。この記事は、その「まとめ回線」をほどく話です。
順番を間違えると、世帯合計は増えます
結論から言うと、乗り換えは「月額が一番高い人」からではなく、「抜けても割引の段差が動かない人」からです。よくある発想は逆で、親の大容量回線を真っ先に格安SIMへ出そうとします。個人の月額だけ見れば正しいのですが、世帯合計で見ると順位が入れ替わるんです。
理由は、家族割が「人数」で段差になっているからです。
- みんなドコモ割:対象2回線で550円/3回線以上で1,100円(プランによっては1,210円)
- au 家族割プラス:2回線と3回線以上で割引額が変わる段差構造(最大1,210円)
- ソフトバンク 新みんな家族割:2回線660円/3回線以上1,210円(対象データプラン)
つまり3回線から2回線に減った瞬間、残った人の割引が1回線あたり550〜660円落ちます。残り2人なら世帯で月1,100〜1,320円の値上がり。乗り換えた本人が月3,000円安くなっても、実質の効果はその分だけ削られます。
4人世帯・佐藤家(仮)でやってみます
父(大容量・光のペア回線名義)、母(中容量)、高校生の子(中容量・フィルタリング必須)、同居の祖母(ほぼ通話のみ)という、よく見る構成で考えます。
手順1:まず4行の棚卸し表を紙に書く
アプリで見るより、手で書いた方が抜けに気づきます。列は4つだけで足ります。
- 契約名義(父名義か、本人名義か)
- 支払い名義(誰のカード・口座から落ちているか)
- 利用者登録(名義と使う人が違う場合の登録の有無)
- ひもづいている割引(家族割のカウント対象/光セット割の対象/データシェアの親か子か)
佐藤家で判明したのは、祖母の回線が父名義のままで利用者登録もされていない、という点でした。名義がずれていると、乗り換えの申し込みを本人が単独でできません。ここが後々いちばん時間を食います。
手順2:抜けたときに壊れる割引を足し込む
ここが本題です。1回線抜くと、次の3つが同時に動きます。
- 家族割の人数カウント減 → 残る回線が1回線あたり月550〜660円値上がり
- 光セット割(各社おおむね1回線あたり最大1,100円前後)の対象喪失 → 抜けた本人の分が消える
- ペア回線の名義(ドコモ光はスマホと同一名義・同一支払口座が条件)が動くと、光側の設定もやり直し
だから判定は「本人の月額差」ではなく、本人の月額差 −(残る家族の値上がり分)で見ます。佐藤家を2パターンで並べると、こうなりました(家族割の段差は3回線→2回線で550円/回線、格安SIM側は音声30GBで月2,000円台前半、通話中心なら月1,000円未満を想定した概算です)。
| 出す順番 | 本人の削減額 | 残る家族の値上がり | 世帯合計の差 |
|---|---|---|---|
| 父(大容量)を先に出す | −3,500円 | +1,650円(3人分×550円)+光セット割の組み直し | −1,850円程度(さらに光側のリスクあり) |
| 子+祖母を先に出す | −2,800円(2回線合計) | +1,100円(残る2人が段差落ち) | −1,700円+翌月以降に父母も動かせる |
初月の数字はほぼ互角に見えます。ただ違うのはその後です。父を先に出すと光の名義とペア回線が崩れ、母・子・祖母の割引条件が読めなくなり、二手目が打てなくなります。子と祖母を先に出した場合は、残る父母2回線を最後にまとめて動かせば、家族割の段差はどうせ消える前提なので損が二重に乗りません。
子ども回線を出すときに詰まる4つ
安さの話より、実務でつまずくのはここでした。
- 名義変更(譲渡):原則としてショップ来店。旧名義人・新名義人それぞれの本人確認書類、来店しない人の委任状、新名義人のカードか口座が要ります。未成年が名義人になる場合は親権者の同意書が別途必要で、小学生以下は本人名義にできず親名義のままになります。
- キャリアメール:持ち運びは各社おおむね月330円。子ども回線でメールアドレスを使っていないなら、ここは払わない判断で構いません。祖母の回線こそ要注意で、通販や銀行の通知先になっていることがあります。
- フィルタリング:格安SIM側の対応はバラバラです。無料で「あんしんフィルター」を提供している会社もあれば、月330円の有料オプションになる会社もあります。乗り換え先を決める前に、ここは公式で1回確認してください。AndroidならGoogleファミリーリンク、iPhoneならスクリーンタイムで代替できる部分も大きいです。
- 見守り・キッズケータイ:キャリアの見守り機能は解約と同時に止まります。位置共有はGoogleマップやiPhoneの「探す」で代わりが立ちますが、事前に家族全員の端末で1回テストしておかないと、当日は焦ります。
支払いを分けると、消えるものがある
親カード一括から個別引き落としに変えると、月額とは別のところが動きます。ポイントの家族合算や、支払い方法に紐づく割引(カード払い限定の値引き等)が対象外になるケースがあるので、分離前に一度確認しておくと安全です。逆に、子ども自身に払わせる運用に切り替えたい家庭にとっては、口座振替に対応した会社を選ぶだけで話が早く済みます。
私の家では、祖母の回線をカードから口座振替に変えるのに、思ったより時間はかからなかった一方で、名義変更のショップ予約が2週間先まで埋まっていました。手続きの所要時間は、料金より予約枠に左右されます。
一斉MNPか、1回線ずつか
私は1回線ずつ、間隔を空けてを推します。理由は連絡手段です。全員同時に切り替えると、開通待ちの数十分〜数時間、家族間の連絡が同時に途切れます。誰か1人が旧回線を持っている状態を保てば、開通トラブルの問い合わせも落ち着いてできます。
一方で、一斉の方が有利な点も認めます。家族割の段差落ちを何か月も引きずらずに済むこと、端末残債やキャンペーン条件を同じ月にそろえられることです。残る家族が2人以下になる見込みなら、段差を長く払い続けない一斉寄りの判断もありだと思います。順番の考え方は世帯合計で損得を出す前回の記事でも触れています。
分解しない方がいい世帯
- 家族割や特定プランの組み合わせで、実質0円に近い回線がある(抜けるとその0円が消えます)
- 光セット割の割引が2回線以上に適用されていて、光の名義が動かせない
- 端末の残債・返却プログラムが途中で、残り期間が半年以上ある
- 家族の誰かが手続き系を一切やりたくない(放置された1回線が高いまま残るのが、いちばんもったいないパターンです)
移し先を1契約でまとめたいなら
「バラバラの会社に散らすと管理できない」という声は、我が家でも出ました。1つの契約で複数枚のSIMを分け合える形なら、請求も1本のままです。たとえばBB.exciteモバイル(Flatプラン)の複数SIMシェアは、30GBを音声SIMで2,068円、音声SIMの追加が1枚528円(4枚まで)、初期費用は新規特典で無料という構成で、子どもと祖母の低容量分をまとめる受け皿として計算しやすい部類です。少量派なら段階制のFitプランが3GB690円から。もちろん他社でも構いませんが、「1契約・複数SIM」か「個別契約」かを先に決めてから会社を選ぶと、比較する軸が1本に絞れます。
まずやることは、乗り換え先を探すことではなく、棚卸し表の4列を埋めることです。名義のズレが1つでも見つかったら、その回線が最初の一手になります。
ほかの回線見直しの記事は格安SIM・モバイル回線の乗り換えまとめ|記事一覧からどうぞ。
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